鉄道について
登場人物が鉄道に乗っているシーンは9回ある。
うち2回は、二郎が鉄道に乗っているのだが、
明快には示されない。
初めはシベリア鉄道に乗っているシーン。
風景が映されるだけで明示されない。
二度目は失意の軽井沢旅行。
これも列車が映されるだけで、乗っている二郎は登場しない。
となると、明快に列車での移動が表現されるのは、
7回である。
7回!、飲食も7回、タバコも7回である。
1、列車乗車中に震災に被災
2、名古屋に移動中に列車で困窮した民を見る
3、ドイツでの夢。列車を降りると日の丸飛行機が墜落する夢を見る
4、ドイツから西へ移動中、カプローニ最後の飛行へと飛び出す。ピラミッドのある世界
5、菜穂子喀血の報を受け、泣きながら上京
6、二郎の手紙を読んだ菜穂子は、決心して列車で二郎の元へ
7、二郎の元を去った菜穂子は列車に乗る
ほとんど凄惨な状況の描写に結びついている。
4は凄惨なシーンはないが、ピラミッドのある世界を肯定する。
それは2と対応する。かれらはピラミッドの底辺として苦しんでいる民である。
いずれにせよ、この数の揃え方は、意図的なものを感じざるをえない。
というより、たいていの場合傑作は、このような細かくも壮大は設計を持っているものである。
ページ
2013年9月13日金曜日
2013年9月8日日曜日
含むネタバレ 風立ちぬ・解説14
食事について
食事シーンは7回ある
いずれも前途への希望に結びついている。
1、被災後お絹と菜穂子は二郎からシャツに含まれた水をもらう。
素晴らしい男性に巡り会えた喜びを感じる。
2、定食屋で二郎は鯖定食、本庄は肉豆腐を食べる。
二郎は鯖の骨の曲線美を設計の理想とする。
3、本庄はシベリアを食べながらお茶を飲む。
本庄はドイツ留学に選ばれ、結婚も予定が立っている。
4、フライヤでコーヒーを飲みながら二郎は設計主任を任される。
5、軽井沢の食堂内で二郎は菜穂子に会釈をする。
6、軽井沢の食堂内で二郎は菜穂子を待ちながらビールを飲む
7、二郎と菜穂子は黒川邸で三三九度の盃を交わす。
タバコのシーンも7回、食事のシーンも7回!!
食事シーンは7回ある
いずれも前途への希望に結びついている。
1、被災後お絹と菜穂子は二郎からシャツに含まれた水をもらう。
素晴らしい男性に巡り会えた喜びを感じる。
2、定食屋で二郎は鯖定食、本庄は肉豆腐を食べる。
二郎は鯖の骨の曲線美を設計の理想とする。
3、本庄はシベリアを食べながらお茶を飲む。
本庄はドイツ留学に選ばれ、結婚も予定が立っている。
4、フライヤでコーヒーを飲みながら二郎は設計主任を任される。
5、軽井沢の食堂内で二郎は菜穂子に会釈をする。
6、軽井沢の食堂内で二郎は菜穂子を待ちながらビールを飲む
7、二郎と菜穂子は黒川邸で三三九度の盃を交わす。
タバコのシーンも7回、食事のシーンも7回!!
2013年9月5日木曜日
含むネタバレ 風立ちぬ・解説13
タバコについて。
「風立ちぬ」は煙草のシーンが都合6回出てくる。
1、震災直後、学校で本庄が煙草を次郎にせがむ
2、2年後、教室に計算尺の届け物があった直後、本庄が級友に煙草をせがむ
3、ドイツでユンカース社の見学後、次郎は最後の煙草を吸っており、本庄はシケモクを吸いはじめる
4、菜穂子を待つレストランの席で、カストルプと共に次郎がタバコを吸う
5、菜穂子と食事ができなかった後、ベランダから彼女の部屋を見上げながら、暗い中で次郎一人で煙草を吸う。
6、黒川邸の離れで、菜穂子の手を握りながら次郎は煙草を吸う。
1度の例外を除き、いずれも、直近に女性と別れる、離れる、合えなかったというイベントがある。
1、震災直後、次郎はお絹、菜穂子と別れて学校に行った。
2、教室に計算尺の届け物があった直後、次郎はお絹の後を追ったが、見つけられなかった。
3、ドイツでユンカース社の見学前に、本庄は結婚をしており、新妻と別れてドイツに来た。
4、レストランの席で菜穂子を待っていたがこなかった。
5、ベランダから彼女の部屋を見上げながら、菜穂子を思いながら次郎は煙草を吸った。
6、菜穂子の手を握りながら次郎は煙草を吸う。次郎のそばに菜穂子が居る。これのみ例外である。
だからこそ6のシーンは印象的になる。
「結核の女性の隣で煙草を吸うなんて」と激しく反応している人たちも、
無意識のうちに、この静かなシーンの劇的な意味をなんとなく感じているのではないか、
だから激しく反応しているのではないかと、思われる。
いずれにせよこのことからも、この映画が緻密に立体的に構成された作品であると理解していただけるものと思うのだが、
いかがだろうか。
「風立ちぬ」は煙草のシーンが都合6回出てくる。
1、震災直後、学校で本庄が煙草を次郎にせがむ
2、2年後、教室に計算尺の届け物があった直後、本庄が級友に煙草をせがむ
3、ドイツでユンカース社の見学後、次郎は最後の煙草を吸っており、本庄はシケモクを吸いはじめる
4、菜穂子を待つレストランの席で、カストルプと共に次郎がタバコを吸う
5、菜穂子と食事ができなかった後、ベランダから彼女の部屋を見上げながら、暗い中で次郎一人で煙草を吸う。
6、黒川邸の離れで、菜穂子の手を握りながら次郎は煙草を吸う。
1度の例外を除き、いずれも、直近に女性と別れる、離れる、合えなかったというイベントがある。
1、震災直後、次郎はお絹、菜穂子と別れて学校に行った。
2、教室に計算尺の届け物があった直後、次郎はお絹の後を追ったが、見つけられなかった。
3、ドイツでユンカース社の見学前に、本庄は結婚をしており、新妻と別れてドイツに来た。
4、レストランの席で菜穂子を待っていたがこなかった。
5、ベランダから彼女の部屋を見上げながら、菜穂子を思いながら次郎は煙草を吸った。
6、菜穂子の手を握りながら次郎は煙草を吸う。次郎のそばに菜穂子が居る。これのみ例外である。
だからこそ6のシーンは印象的になる。
「結核の女性の隣で煙草を吸うなんて」と激しく反応している人たちも、
無意識のうちに、この静かなシーンの劇的な意味をなんとなく感じているのではないか、
だから激しく反応しているのではないかと、思われる。
いずれにせよこのことからも、この映画が緻密に立体的に構成された作品であると理解していただけるものと思うのだが、
いかがだろうか。
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