これまで整理した10カ国における「初等義務教育の制度化」から「世代全員(9割以上)通学の実質達成」までの年代を比較したグラフです。
各国の棒グラフにおいて、左端が制度化の時期、右端が世代全員通学を達成した時期を示しています。
ドイツ(プロイセン):1880年代〜1895年頃
フランス:1890年代〜1900年前後
日本:1900年〜1905年頃
イギリス:1900年代初頭
アメリカ:1920年代〜1930年頃
ソ連:1930年代半ば
トルコ:1980年代後半〜1990年代末
イラン:1990年代初頭〜2000年代初頭
中国:2000年代初頭
インド:2010年代(名簿登録上。実質的な修了・定着は途上)

グラフから読み取れる主な構造的特徴
- スピード型(超短期達成)
- 日本(約33年)・フランス(約15年):近世(寺子屋やギゾー法下の学校網)の教育基盤があったため、近代法整備から極めて短期間で国民皆就学へ到達。
- ソ連(約5年)・中国(約14年):社会主義政権下での強力な国家動員と集中投資によって、広大な国土と多民族・農村人口を短期間で公教育へ包摂。
- 長期定着型(法整備から半世紀以上)
- プロイセン/ドイツ(約120年以上):18世紀半ばに先駆的に法制化されたものの、産業革命と農村の変容を待つ必要があった。
- アメリカ(約80年):連邦制による州ごとの法制化のズレ(マサチューセッツ州1852年〜ミシシッピ州1918年)と、南部を中心とする児童労働規制の定着に時間を要した。
- トルコ(約70年)・イラン(約50年):20世紀前半に国家主導で義務化されたが、東部・農村地域の保守的規範や女子教育に対する抵抗の解消が20世紀末まで課題となった。
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