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2013年8月11日日曜日

含むネタバレ 風立ちぬ・解説5

なぜ次郎が山の病院に見舞いに行けなかったか。それはそれほど急を要する仕事だったからである。見舞いに行かない伏線として、シベリアの話が挿入されている。次郎が結果的に使う予算は、大勢の子どもを飢えから救えるほどの巨額のものである。次郎の成果いかんによって、多くの若い兵隊の命が助かる。だから見舞いに行けない。しかし愛情が無いわけではない。現に結核患者にもキスをする。妻と同じくらいに次郎は、命をすてて仕事に邁進していたのである。

含むネタバレ 風立ちぬ・解説4

カストルプはゾルゲのようなスパイである。スパイだからこそ、次郎に接近する。スパイだからこそ、追われる。そしてスパイに接触したからこそ、次郎は特高に追われるのである。このあたり歴史をしらないと理解しにくい。

含むネタバレ 風立ちぬ・解説3

カプローニの飛行機で失敗するのは、飛行艇、つまり水上に浮いている飛行機である。だから、航空母艦からの飛行機の離陸も失敗する。水は生命を暗示する。二人が再開するのは泉のほとりである。
最初にエンジンから油を吹くのは、夢の中で邪悪な敵機を見たときの次郎の飛行機である。次に油を吹くのは、空母に着艦する際である。油は戦争、敵、血を暗示している。水と油、大変緊密に構成された映画である。