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2018年4月25日水曜日

アメリカ考4

http://amzn.asia/0P2030n
『偉大なギャツビー』を読む―夢の限界
リチャード・リーハン

図書館にあったので借りてきて読んだ。
著者は大変碩学な方である。ギャッツビーの時代背景からなにから、全部調べてある感じである。
いわく、シュペングラーの「西洋の没落」がベースになっているのではないかと。

ギャッツビー作中でトムが、「ぼやぼやしていると白人は有色人種に支配者の座を取って代わられる」と危機感をあらわにするのだが、その根底にシュペングラーがあるらしい。作者が日記などを調べて突き止めた。大変有意義な研究である。

ギャッツビーが本当に評価されたのは戦後だが、なぜ戦前のアメリカがあそこまで反日的であったのか示唆する内容である。日米戦争の歴史においても、「ギャッツビー」は重要な作品なのかもしれない。

と、一方でリーハンさんは、実は内容あんまり読めていない。一番重要な部分、「これは神話である」ということは把握できているが、内容詳細について読み解けているわけではない。本人、「30年で100回以上読んでいる」と豪語するにもかかわらず、である。

だいたい30年で100回読む、というペースでは読み解くことは不可能である。3年で100回読めば、どんな本でも、(章立て表、登場人物一覧表をつくらずとも)楽勝で読み解ける。かなりきついペースにはなるが。

2018年4月21日土曜日

アメリカ考3

アメリカはヨーロッパ文明の一種だから、
ヨーロッパ全体から影響を受けるのはよくわかる。
ドイツは大きな文化を築いたところだから、
ドイツの影響が強いのもよくわかる。
しかしなにか不自然な感じがある。

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%9E%E3%83%83%E3%82%AF%E3%82%B9%E3%83%BB%E3%82%B9%E3%82%BF%E3%82%A4%E3%83%8A%E3%83%BC
マックス・シュタイナーのWiki

ドイツ出身、ハリウッドで活躍した作曲家。
アカデミー作曲賞3回受賞

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名付け親はリヒャルト・シュトラウス。 ピアノの手ほどきをヨハネス・ブラームスに受け、15歳でウィーン帝室音楽院(現在のウィーン国立音楽大学)に入学し、グスタフ・マーラーから教えを受けた。彼はその才能で4年の課程を1年で終えた。
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冗談のような経歴である。

2018年4月20日金曜日

アメリカ考2

文化は天下の回り物だから、アメリカ文化が他国に淵源を持っていても不思議ではない。
しかし、ドイツ出自に一方的に偏っているのは事実だろう。

コンラッド「闇の奥」経由の、ニーベルングの指環作品群以外にも、
たとえばディズニーの城は、モデルはノイシュバンシュタインである。
ノイシュバンシュタイン城は、バイエルン国王ルートヴィッヒ二世の建築である。
彼はワーグナーの世界観にはまって、狂気の城建築マニアになって、国家財政を破綻に導いた。

しかしおかげで文化的影響力が強く、アメリカの子女はみな一度はディズニーの城を見る、
つまりノイシュバンシュタイン城を見る
つまり、ワーグナーの世界観を見るのである。
アメリカ人子女にとっての最大の教師は、ワーグナーなのである。

戦後仏教思想やらなんやらがアメリカではやったが、
あれはドイツに勝ってコンプレックスを解消して、
ようやく「ドイツ以外の世界」に目を向けることができるようになった、
という以上の意味が、ないのではないか。