ページ

2009年6月28日日曜日

「カラマーゾフの兄弟」をよみとく 8

それで問題は、
少年たちの中でミーチャに該当する人物は誰かということである。
やや奇抜な結論になるが、
それは犬のジューチカ・ペレズオンである。

共通点としては
ミーチャは恋人を乗り換えている。
ジューチカ・ペレズオンも、飼い主を乗り換えている。
この一点である。
ちなみにゾシマも、軍隊から僧院に乗り換えている。
ゾシマの信者の3番目の女性も、知人のアドバイスからゾシマのアドバイスに乗り換えている。
なんでそんなに乗り換えキャラなのか、いまだによく理解できていないが、
とにかくミーチャ(および彼の化身たち)は、徹底的な乗り換えキャラということで、
終始一貫しているのである。

2009年5月29日金曜日

「カラマーゾフの兄弟」をよみとく 7

それでは未来に対応したカラマーゾフ兄弟とは誰か。
当然ながら、コーリャと仲間たちである。

それで少年たちのキャラクターを仔細に見てみる。
やはり分かりやすいのは、陰湿なイワンキャラである。
僧院でも、過去の人物でもそうだった。
未来の人物の場合は、
イリューシャがそれに相当する。
過去の人物ミハイルのごとく、
あっさり病死するからである。
では彼は、何の罪を告発したか。
「ジューチカに針を飲ませてしまった」
という罪である。

イワン:父殺しを告白する。
僧院の女4:夫殺しを告白する。
ミハイル:女殺しを告発する。
イリューシャ:ジューチカ殺しを告発する。

となって、これも綺麗に並ぶのである。

2009年5月25日月曜日

「カラマーゾフの兄弟」をよみとく 6

ここで「ゾシマの過去語り」を整理してみる。


大変わかりやすい。
さらに、以前アップした、ゾシマの女性信者のまとめと並べてみる。


適当に登場の順序を入れ替えながら、
上手に素材を使いまわしているのがわかる。
ではほかに、このような書き方をしている人々はいないものか。

過去語りの中の3兄弟は、文字通り過去の3兄弟である。
僧院の女性達は、3兄弟を抽象的に表現している。
文中で進行するのは、3兄弟の現在である。

そう類推するならば、
3兄弟の未来対応した登場人物が、
かならず存在するはずである。