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2013年8月11日日曜日

含むネタバレ 風立ちぬ・解説7

全体はゼロ戦賛美、特攻隊賛美が主題になっている。監督はそうではないと言い訳しているようだが、宮崎駿の言っていることと作ることがバラバラなのは、昔からだ。菜穂子は単に妻ではなく、時代、日本そのものである。当時日本は、結核を病んでたのである。死病にかかっていたのである。それでもなお次郎は日本を愛し、結核の日本に口付けをした。死と地獄を覚悟して。

含むネタバレ 風立ちぬ・解説6

なぜユーミンの歌を最後にもってきたか。これはわりとはっきしている。久石譲が老いたからである。おそらく彼のピークは菊次郎くらいであろう。もっともそれでも最低レベルは維持できるのが久石の偉大なところだが、老いは隠せない。しかし物語りは若い登場人物なので、若い音楽が必要になった。それでひこうき雲である。

含むネタバレ 風立ちぬ・解説5

なぜ次郎が山の病院に見舞いに行けなかったか。それはそれほど急を要する仕事だったからである。見舞いに行かない伏線として、シベリアの話が挿入されている。次郎が結果的に使う予算は、大勢の子どもを飢えから救えるほどの巨額のものである。次郎の成果いかんによって、多くの若い兵隊の命が助かる。だから見舞いに行けない。しかし愛情が無いわけではない。現に結核患者にもキスをする。妻と同じくらいに次郎は、命をすてて仕事に邁進していたのである。