ページ

2016年10月21日金曜日

罪と罰

罪と罰

アップしました。
ドストエフスキーの「巨大さ」について、
とりあえずの解が見つけられたと思います。
登場人物をグループ化して、
巨大さを演出しています。

岡田英弘が昔激語して曰く、
「ロシアは存在しない。
今日我々が見ているロシアは、
ロシア文学者たちがでっち上げたものだ」
天才は、自分のアイデンンティティーに不安を持つ人々が、
多くいる社会に出現します。
社会が稀代の詐欺師を必要としている時に、
稀代の詐欺師、つまり天才が出現するのです。

ロシア人は明らかに悩んでいました。
自分たちは西洋人なのだろうか。
クリスチャンであるのは間違いないが、
本質的にはタタール人なのではないだろう。
そんな不安を打ち消すべく、
強力な天才が出現して、
理念を組み立てて建築物のように小説を書いた。

だから、ドストエフスキー、トルストイ以降、
ロシアの芸術家は小粒になってゆきます。
ドストエフスキーにすがれば良い分だけ、
努力の必要がなくなったからです。
ドストエフスキーが永遠であるならば、
ロシアは今後、彼以上の天才を産まないでしょう。
必要がないからです。

0 件のコメント:

コメントを投稿