2023年4月現在の世界情勢は恐るべき激動の中にあるが、そもそも激動であると認識できている人が少ない。認識できない原因は、今までの世界の状況の意味が理解できていないからだと思われる。
今までの状況
1、戦後英米は一貫して日独を封じ込めることを最優先課題としてきた。
2、東アジア情勢も、中近東情勢も、冷戦さえも日独封じ込めのためにあった。
3、今日のウクライナ紛争もロシア封じ込めが目的ではなく、ドイツ封じ込めが目的である。
4、しかし失敗して英米の地位が危うくなった。極東、中近東でも英米のプレゼンスが崩壊している。
5、英米の政策の立て直しを図るために、マクロンは訪中した。訪中の意図を理解している習近平は、フォン・デア・ライエンを冷遇した。
これからの予測
1、英米は危機感を感じて若干立ち直るが、根本的な復活は望めない。といって大陸勢力が取って代われるわけではない。
2、危機に陥った英米は日独に対して攻撃的になる可能性がある。それを回避するのが当面の目標。最終目標はおそらく鎖国的な引きこもり。
以下順に説明する
1、戦後英米は一貫して日独を封じ込めることを最優先課題としてきた。
第二次世界大戦終結後、世界の枠組みが決定された。国連、IMF、世界銀行、いずれも戦後の産物である。英米にとって昨日まで敵としていた日独の抑え込みが、戦勝国の政策運営の主軸になるのは当然である。アメリカ政府の仕組みもそうなる。そしてその後大規模な改革を起こすほどの大事件が一度も起きないまま今日にいたった。大きな組織を一人の大統領が改革するのは不可能である。半分程度惰性で、日独敵視というか、封じ込めを英米は継続してきた。
今の時点で冷静に考えれば、日本はペリー来航で危機感を感じて近代国家を作り上げただけで、民族本来の姿はそれほど対外拡張的ではない。朝鮮半島に出兵しては敗北し、北九州に攻め込まれてははじき返す、くらいがせいぜいの国際活動であった。だから日本に関してそこまで警戒するのは間違っている。だがドイツは統一国家としての歴史が浅く、かつ民族としては西ローマ帝国を滅亡させるほどの機動力を持っている。不安定でダイナミックで恐い連中なのである。したがって日独両国を敵国として同一視するのはかなり間違っているのだが、英米としてはまずはドイツをどうしても抑え込まないと安心できない。そのついでに日本も抑え込むという体制で運営してゆくのは、それなりの合理性はある。彼らの態度は半分は惰性だったとしても、まずは必然的な流れと言える。ことは善悪ではない。
2、東アジア情勢も、中近東情勢も、冷戦さえも日独封じ込めのためにあった。
例えば東アジア情勢で考えよう。1971年、キッシンジャーと周恩来が秘密会談をする。米中国交正常化のためである。会談中、周恩来が唐突に別の話題を持ち出す。「マーシャルプランというのは、あれはいくら出したのですか?」。この時周恩来は、目の前の人物が旦那なのか番頭なのか探ろうとしていた。大体の会計規模(間違ってもよい、概算でよい)を言えれば旦那、言えなければ番頭である。キッシンジャーは即答できなかった。番頭であると自ら暴露した。周恩来は考えた。アメリカはまだ本気ではないと。
幸いなことに、中国共産党は日本にも手を打っていた。当時自民党幹事長をしていた田中角栄との関係を、この時点ですでに築いていた。伊藤昌哉の「自民党戦国史」を読めば、幹事長時代の角栄がなぜか急速に勢力を拡大しているのがわかる。大量の金が流れ込んだことを想像しても許されるだろう。その角栄が総理になるとすぐに、日中の国交を正常化させた。田中のスピードも称賛すべきだが、背景には周の戦略がある。日本と国交を回復させることで、アメリカを焦らせ米中交渉を有利に運ばせたかったのだ。
もっともアメリカを焦らせるのはデメリットもある。焦らせ過ぎてアメリカが怒りだすと、叩き潰される。特に「日本と連携」とアメリカから見られると問題だ。日本を中国に奪われたら、アメリカの覇権は終わりである。でも日本という刺激がないとアメリカは動かない。当時の中国政府は、アメリカという竜の逆鱗周囲1mmを正確に刺激するという、名人芸が要求されていたのである。
しかし、政治力学の洞察にかけては中国人は世界の頂点である。尖閣諸島問題を創造して、日本と中国はかならずしも無条件の友好関係ではないと演技してみせた。小さな問題だが、問題が存続しつづけていることをアピールすれば、アメリカの恐怖は最後の一点を超えない。
今日でも米中関係がややこしくなると、たいてい尖閣がヒートアップする。中国は、「アメリカが本当に恐れているのは日本であり、日本と仲が悪いことを演出すれば中国は当面安泰だ」と知っているのである。
分割統治はアングロサクソンの悪癖である。逆に言えば分割統治できているという感触さえ得られれば、連中は実態がどうであれ安心する。行動の意欲を失う。日本は周辺諸国と仲が悪い、謝罪が不十分だ、ドイツを見習え、などという英米の意見をよく見かけるが、それら言説はドイツ帝国の肥大化を恐れて発言しているだけで、実のところ日本とはなんの関係もなく、たいていの場合発言者はそもそも日本に興味がない。
従軍慰安婦問題に代表される韓国のヒステリーも似た話であって、日本が周辺諸国から攻撃されているとなんとなく英米の分割統治欲求が満足する、というだけの話にすぎない。
中近東も似たような状況である。イスラエルは英国の建設した国である。支えているのは米国の軍事力である。他人の土地に新たに入植して施政権を維持する。これは普通は植民地という。しかしユダヤ人の故郷であるという理由で、建国と言い換えている。先祖が皆パレスチナに住んでいたと証明できるならば話は別だが、ユダヤ教は他の経典宗教と同じく、改宗宗教なのである。仏教徒の日本人がインドネパールの領有権を主張するようなものである。つまりイスラエルは、英米の植民地であり、英米はイスラエルという植民地を通じて中近東全体を支配している。中近東支配の目的は、普通に考えれば石油資源の独占だが、例えばトッドによれば「日独のエネルギー供給をコントロールするため」となる。イラク戦争の目的がどこにあったのか。石油資源の確保ではもとよりない。十分確保できていたのだ。今思えば、冷戦終了後日独にたいする制御を高めるためにアメリカが起こした、という解釈が最も整合的である。
そもそも冷戦構造とはなんだったのか。本当に米ソは敵対していたのか。蓮見重彦という人、私はさほどは評価していないのだが、かつて名言を吐いていて大変感心したことがあった。
「米ソ冷戦は存在しなかった。存在したのは米ソ両国の軍需産業の相互依存関係だけだ」。
もっとも相互依存関係は、ソヴィエト連邦の国力が弱り過ぎて解消された。英米はそれ以上の脅威に成長した日独にターゲットを定めたのだが、冷戦の開始当初より日独は米国にとって最大の懸案であり、ソヴィエトにとっての東欧諸国と相似の存在だった。
ソヴィエトは軍事パレードが大好きな国だった。
パレードで登場する最新兵器は、アメリカに対するものというよりも、国内の反政府勢力および周辺の衛星国への脅迫としての意味が強かった。ソヴィエトが軍事パレードでやったことの裏返しを、英米は(特にアメリカは)通貨発行でやった。先ほどのキシンジャー=周恩来会談の時、マーシャルプランの総額を聞く件で、金額が答えられないキッシンジャ-に、周恩来は「あれはほとんど返ってこないのでしょう?」と言い、キッシンジャーも「ええ、まあ」とあいまいな返事をする。帰ってこなくてよいのである。ヨーロッパに渡ったドルは、(今や死語だが)ユーロダラーと呼ばれてドルの国際流通を支えた。ソヴィエトが軍事力でハンガリーやチェコ、ユーゴなどを支配したのと同様に、アメリカは軍事力も強大だが、それ以上にドルで西側諸国を支配した。まさしくニーベルングの指環である。
ところがドイツ人という民族はよっぽど強硬というかなんというか、なるほど英米も世界を巻き込んで全力で押さえつけなきゃいけないと思える連中であって、ヨーロッパ連合の通貨を統一してしまった。ヨーロッパ最強の経済大国はドイツだからなんのことはない、ユーロという、ドルと対抗する貨幣を発行するようになるのである。ニーベルングの指環の本家本元ではある。もっとも英米およびフランスはそれらに制御をかけた。各国の財務状況をある程度縛り、ドルを凌駕できないようにした。
新よみとき草紙: 「黒い匣」紹介【バルファキス】: Naverより転載 (yomitoki2.blogspot.com)
の記事参照されたい。ギリシャVSドイツの戦いの向こう側に、ドイツVS英米の戦いの構図が透けて見える。名著である。
3、今日のウクライナ紛争もロシア封じ込めが目的ではなく、ドイツ封じ込めが目的である。
ウクライナ戦争について、一般的な見解は単純素朴な善悪論である。プーチンが一方的に悪いと非難する。少しマニアックになるとミアシャイマー、トッド、ローマ教皇の意見を参照して、英米がむしろ問題であるとする。逆に言えばそれなりに政治経済に詳しいのに、ロシアが一方的に悪いと言い続ける人は、英米の下請けか、よほどその力を恐れるか、組織的な事情でそう言わざるをえないか、いずれかである。ではなぜ英米はそんな無駄な戦争を惹起せしめたか。目的はドイツの封じ込めである。
ドイツは再生可能エネルギーへの転換が進んでいた。再生可能エネルギー、つまり風力太陽光といった自然エネルギーの割合の増大は、つまり英米の中近東支配の目的を喪失させてしまう大技である。なおかつ原発を廃止する。英米から見れば核武装放棄宣言である。つまり、英米はドイツにたいするとっかかり、嫌がらせのネタを失ってしまう。ユダヤ人虐殺も、生存者が全員死んでしまえばもう昔の話である。英米の影響を排除したドイツは、EUの盟主として巨大な人口と市場をコントロールしてゆく。そこをなんとか制御したい。
だからこそ英米は、NATOを東方に拡大してロシアを刺激し、ウクライナは戦場になった。戦争でウクライナは人口が激減しているようである。ウクライナ国民は苦難の道を歩むが、そんなの英米首脳部の知ったこっちゃない。
戦争が始まってしばらくして、ドイツの元首相のメルケルが、「ミンスク合意はプーチンをだますためにやった」と証言した。つまりメルケルは、なんとかして今回のウクライナ紛争という名のドイツいじめを止めたいと思っているのである。英米側の大義名分を少しでも毀損したいと思っているのである。実際エネルギーが高騰して一番困っているのはドイツである。しかし直接英米を名指しで批判するには、ドイツはあまりにもマークされている。マークをかいくぐってドイツをEUも盟主にまで育て上げたメルケルの、複雑な、重層的な、言うなれば文学的な発言である。
政治家の発言はしばしば重層的になる。発言の重層性は、だいたいその人の政治的力量と比例する。政治家は文学者でもあるのである。今日世界で最も文学的な政治家はロシアのラブロフ外相であろう。ラブロフの次に来るのがメルケルである。現在のショルツ首相の力量は正直よくわからない。
4、しかし失敗して英米の地位が危うくなった。極東、中近東でも英米のプレゼンスが崩壊している。
ウクライナ紛争は、英米にとって失敗だった。2023/4/17現在、結果ははっきり出ている。
2023/03/16 日韓首脳会談、両国関係改善
2023/03/21 岸田首相ウクライナ訪問。必勝しゃもじ贈る。
2023/03/22 サウジアラビアとイラン、中国の仲介で国交正常化
2023/03/26 ロシア ベラルーシに戦術核配備
2023/03/27 馬英九訪中
2023/03/30 蔡英文訪米
2023/04/06 イスラエル周辺よりロケット弾で攻撃される、翌日空爆で反撃
2023/04/06 マクロン訪中
日韓離反が英米の分割統治基本理念であった。しかし関係は改善した。岸田首相は訪ウしたが、少額の援助と呪術の木の札(ゼレンスキー談)を送っただけである。つまり訪ウはあからさまに英米へのお付き合いであって心底の協力ではない。
中近東での米国の支配力は既に失われている。中近東を支配し、結果的に日独を制御するための橋頭保イスラエルも、周辺アラブ諸国から攻撃を受けて窮地に立たされている。台湾では与野党が役割分担しながら、米国と中国の二股外交をしている。四月冒頭になって鈍い私でもようやく気が付いた。アメリカは既に詰んでいると。脱出の方法がないと。
アメリカにとってのウクライナ戦争は北条一族にとっての千早城になってしまった。楠木正成は千早城という小城で大軍を引き付けて奮戦したのだが、奮戦するために奮戦したのではない。北条政権の評価を落とすために奮戦したのである。北条は少人数の敵を大軍で囲んで、いつまでたっても勝ちきれなかった。時間の経過とともに北条の評価はジリジリと下がってゆき、やがて全国で反乱が勃発するようになる。その上戦費がかかった。金に困った北条は新田一族に上納金提出を命ずるが、金の用意がなかった新田はそれならばいっそと北条との戦争を決意、援軍も加わって鎌倉を攻め滅ぼしてしまう。幕府は滅亡してしまう。
統治とは、恐怖の拡散と固定である。逆らえば必ず殺される恐怖で人々は命令に服する。同じ金額の要求でも、千早城の一件がなければ新田は北条に攻めかからなかっただろうし、援軍も期待できなかった。だが既に北条への恐怖心は大幅に縮小していた。北条は全国の武士に舐められるようになったのである。そしてそのような状況を作り出すために、名将楠木は千早城で奮戦したのである。
ロシアが良いか悪いか、プーチンが善人かどうかはこのさい置く。英米は戦争の短期終息を目指すべきだった。米国国民の人的損害を避けるためにウクライナに代理戦争をやらせているのである。だが長引いた。自国国民の人的損害がなかったから安心したのだろう。ダラダラと続けてしまった。そして気が付いた時には、世界外交の主導権は中国に握られていた。米国が出兵しているのならば、有無を言わさず撤兵すればよい話である。しかし今回代理戦争であって、戦争の停止が不可能な状況である。その状況で、中近東も東アジアも、アメリカから離反した。完全に離反しきってはいない。日米安保は継続中であり、イスラエルも国家として存在している。しかしプレゼンスは崩壊した。2月にはまだ世界中がアメリカの軍事力を恐れていたのに、4月頭には世界中がアメリカという国をなめきるようになった。中南米でも、東南アジアでも同様である。プーチン=ラブロフのコンビは、楠木のごとくそうなることを読んでいた。読んでウクライナ侵攻を実行した。恐るべき洞察力の高さであるし、逆に言えば英米の恐るべき洞察力の低さである。
5、英米の政策の立て直しを図るために、マクロンは訪中した。訪中の意図を理解している習近平は、フォン・デア・ライエンを冷遇した。
4/6にマクロンは訪中し、台湾問題での発言で物議をかもしたが、それはことの本質ではない。マクロンは状況を読めている。フランスは英米のような支配者でもなければ、日独のような敗者でもない。中間的な存在だからたいてい状況は客観的に見えている。このままでは世界秩序は崩壊する。西側諸国は没落する。
英米の首脳は両者とも、外交活動の主体性を現在持たない。スナクは気弱であるし、バイデンはそもそも痴呆の一歩手前ないし一歩向こう側である。誰かが主体性を持った外交姿勢を見せなければ、世界中が離反してゆく。だから価値観的に少々問題があっても、中国首脳と親密に話し合わなければならなかった。今現在、西側諸国のトップはマクロンと言える。西側諸国全体の問題を誰かと交渉するならば、マクロンのところに行くのが最も早い。会話が成立する可能性が高い。そして英米はフランスだけは痛めつけることができない。なぜならフランスの力をそぐならば、EUにおけるドイツの権力が肥大化して、抑え込むのが不可能になるからである。
習近平も、状況を把握している。西側の誰とも会話せずに、中国の影響力を増大させ続けるのはまずい。沈黙は相手に恐怖を与える。しかしバイデンやスナクと会話しても時間のムダである。フランスのトップと会談することで、自分たちの活動のある程度の正統性を確保できる。
習近平は同時に訪問したフォン・デア・ライエンは冷遇した。彼女は欧州委員会のトップだが、ドイツ人である。ここでドイツ人を優遇すると、英米の脊髄反射が発動する可能性がある。あくまでマクロンを持ち上げ、フォン・デア・ライエンを冷遇する必要があった。さらに言えば、習近平がそうせざるを得ないことを、マクロンもフォン・デア・ライエンも読んでいたはずである。
マクロンもフォン・デア・ライエンも、媚中をしているわけではない。彼らが交渉していた相手は中国ではなく英米である。英米の政権周辺の人々全体に向かって、あなたたちは間違っていますよ、事態はそこまで悪化していますよと間接的に伝えるために訪中したのである。
以下今後の予測の説明である。
1、英米は危機感を感じて若干立ち直るが、根本的な復活は望めない。といって大陸勢力が取って代われるわけではない。
英米の上層は、悪い意味で王様になりきっている。現状の認識ができなくなっている。ネット上での感触だが、上の中、上の下の階級は状況を認識できているようである。しかし英米は階級社会だから、それが最上層を動かすまでにはまだ至っていない。
日独を敵視し、抑え込むために全精力を投入する英米のやりかたは、半分程度惰性でしかなく、世界の現状の理解と制御からは遠ざかっている。しかし人間は惰性の生き物であり、成功体験は克服不能の敵である。一度過去のやり方をすべて捨てて組みなおす作業ができればよいのだが、状況がひっ迫している今、おそらく英米は実行できないだろう。
西洋人の思考回路は、状況を各個に把握して対処するものではなく、現象を一度抽象化して判断して、その後個別案件に具体化させつつ適応させる方式である。一度「何々主義」という言葉を作らないと気が済まない。国際情勢の判断も、日独を同一のくくりにいれて対応策の大筋を策定し、その大筋を日独両国にあてはめてゆく。その方式の良さもあるが、まずさもある。ドイツの拡張をおそれるのはそれなりに正しい。逆に日本は(もしも中国の経済発展を許すならば)もっと優遇するべきだった。日本への対応不適切によって中国が肥大化した。肥大化そのものはさほど問題ではないのだが、英米自身の世界運営のまずさによって、覇権が中国に転がりこんでしまった。英米人の頭の中では、「日本に転がり込むよりマシ」となっているだろう。しかし覇権はそもそも他人の懐に転がりこまないほうがましなのである。日独抑え込みの惰性的継続の中で、なにか認識上の大きな錯誤が発生しているようである。逆に言えば、多くのアメリカ人が、世界の状況が見えなくなっている。
https://youtu.be/mqZ7ePmjyCg?t=366
パックンはハーバード大学を卒業して日本で活動している。ワシントン在住の普通のアメリカのエリートより広い世界を見ているはずである。でもこの主張である。これは中近東からは永遠に嫌われる。高度情報化社会の中でここまで盲目になるのならば、アメリカが失った覇権を取り戻すのは難しいだろう。そして内政は世界的に見ても落ちこぼれに入りつつある。例えば殺人発生率。
ピンチに対し脆弱な社会である。
とは言っても、中国、サウジなどがどの程度大きく成長できるかはやや疑問である。これもやっぱり高度情報化だからである。王室や共産党が大部分の財産を管理する社会のままで高度情報化してゆくと、どうしても自壊の力が強くなる。それでも現在成長できているのは、アンチアメリカでまとまれるからで、アメリカが弱まれば今度はユーラシア勢力の内部が揺らいでくる。つまり英米とユーラシア勢力はどこかでバランスする。
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