司馬遼太郎と犬養道子(511の犬養毅の孫)との、”あっけらかん民族”の強さ、という対談がある。「日本人を考える」というタイトルで今でも入手できる。以下一文のみ転記する。
犬養「日本人は無神教にはなっても反神教にはならない。憎むといったって、たかが知れていますでしょう。ところが一神教、それの裏返しの反神教が生まれ出るところは、憎悪といえばそれはもう100パーセントの憎悪ですからね。(ナチスの)アイヒマンの裁判を見にいってしみじみ感じたことなんですけれども、日本人なら、財産も妻子も放り出して十八年間、一人の人間を憎むことしかしないで、追い詰めて地球の裏側で捕まえることなんて、できませんよ。
その憎悪、執念の凄絶さ。驚いたことにアイヒマンを捕まえた人の顔も、アイヒマンみたいになっちゃっていたんです。だって十八年間も憎みつづけてきたんですからね。日本人なら、途中でくたびれちゃう。もういいじゃないかということになるでしょう」
なるほど、ホロコーストというのは悪いことだったんだなあと思う。ガザの虐殺を生んだのだから。
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