使いやすい文字を開発したフェニキア人の古代における地位は、今日では「アップル族」「スマホ族」と考えれば理解しやすい。新しいメディアを手にしたものは、手にしていないものにたいして圧倒的な知的優位性を持つ。人類のほとんどが識字していない環境では、神のごとき知性を手にしたのである。というか近隣部族はなんのこっちゃ理解できなかったろう。知的水準に差がありすぎるからである。
が、しかしフェニキアの優位も長くは続かなかった。フェニキア文字からギリシャ文字が派生したのだが、ギリシャ文字は母音がもともと備わっている。子音のみで母音がなく、実際の発音は類推で読まなければならなかったフェニキア文字と比べれべば、ギリシャ文字の優位性は明らかである。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%95%E3%82%A7%E3%83%8B%E3%82%AD%E3%82%A2#/media/File:AntikeGriechen1.jpg
赤がギリシャ、黄色がフェニキアの殖民都市である。勝敗は明らかである。フェニキア有利なのはパレスチナ近辺と、アフリカ北岸西部、スペイン南部のみである。
しかし、交易ということを考えると、アフリカ北岸西部は悪い土地ではない。フェニキア人たちはおろらく大西洋を南下し、アフリカの物資をヨーロッパまで運び、膨大な利益を得ていたはずである。
それは歴史で証明されている。カルタゴはまさにこの地の王国だからである。
カルタゴは、ローマの歴史を通じて、もっともローマを追い詰めた敵である。天才ハンニバルを擁してイタリア半島を荒らしまわり、その間ローマ帝国はひたすらローマに立てこもって首をすくめている以外に、軍事的にはなすすべもなかった。ローマはそのときの屈辱を決して忘れず、最終的にはカルタゴを完全に破壊した。
それで、考えなければならないのは、その後カルタゴ人、つまりフェニキア人はどこに行ったのか、ということである。
ページ
2018年12月29日土曜日
2018年12月28日金曜日
ユダヤについての仮説2
ヒエログリフからフェニキア文字が派生し、フェニキア文字から古ヘブライ文字が派生した。
to
と言っても、フェニキア文字と古ヘブライ文字は実は同じものなのである。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%8F%A4%E3%83%98%E3%83%96%E3%83%A9%E3%82%A4%E6%96%87%E5%AD%97
丸に十字の文字の角度が45度違うだけである。
だいたい古代の民族なる概念は、現代の民族以上に不明瞭である。
ターレスはギリシャ哲学の祖であるが、フェニキア人である。
どんな種族でも、ギリシャ社会に入ればギリシャ人である。
で、あっさり言ってしまえば、
古代社会において、フェニキア人もユダヤ人も、大差ない。
人種的にはどうせまちまちで、
海上交易で栄えているのがフェニキア人、
それに取り残されている弱小勢力の田舎ものがユダヤ人と認識して、
まず大丈夫だろうと考えている。
発掘された聖書―最新の考古学が明かす聖書の真実
には「ソロモンの栄華、という事象は考古学的には発見されていない」「ダビテ家が実在したのは立証されている」とのことであって、聖書の記述は相当眉につばつけて読む必要がある。
おそらく栄えていたのはフェニキアであって、内陸部ユダヤは(同種同文でありながら)、地味でたいして栄えていない存在だったはずである。
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と言っても、フェニキア文字と古ヘブライ文字は実は同じものなのである。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%8F%A4%E3%83%98%E3%83%96%E3%83%A9%E3%82%A4%E6%96%87%E5%AD%97
丸に十字の文字の角度が45度違うだけである。
だいたい古代の民族なる概念は、現代の民族以上に不明瞭である。
ターレスはギリシャ哲学の祖であるが、フェニキア人である。
どんな種族でも、ギリシャ社会に入ればギリシャ人である。
で、あっさり言ってしまえば、
古代社会において、フェニキア人もユダヤ人も、大差ない。
人種的にはどうせまちまちで、
海上交易で栄えているのがフェニキア人、
それに取り残されている弱小勢力の田舎ものがユダヤ人と認識して、
まず大丈夫だろうと考えている。
発掘された聖書―最新の考古学が明かす聖書の真実
には「ソロモンの栄華、という事象は考古学的には発見されていない」「ダビテ家が実在したのは立証されている」とのことであって、聖書の記述は相当眉につばつけて読む必要がある。
おそらく栄えていたのはフェニキアであって、内陸部ユダヤは(同種同文でありながら)、地味でたいして栄えていない存在だったはずである。
2018年12月27日木曜日
ユダヤについての仮説1
古代中近東世界にはおおまかに2種類の文字があった。
エジプトのヒエログリフと、メソポタミアの楔形文字である。
楔形文字はハングルやカタカナのようのもので、視認性が悪い。
そのかわり覚えやすく使いやすいはずなのだが、
元来シュメール人のものであった文字を、
アッカドやらアッシリヤ人などが使うので、
使いでが大変悪かった。
同様な事情がタイにもあって、
中国語に近い声調言語、音の高低での表現が多い言語を、
サンスクリット系の文字で表現しようとしているのが、タイ文字である。
母音や子音の細かい分別はたいしたものだが、
決してマスターしやすいものではなくなっている。
タイ人はおそらく中国語と同じく長江中流域に発生した言語で、
タイ人の南下とともに言語として別の発展ルートをたどったのだろう。
あるタイ人に聞いたところでは、
「タイ文字には実に苦労した。
アルファベットのほうがはるかにマスター簡単だった。
結局タイ文字マスターできたのは小学校6年生のときだった」
そうである。私はちょくちょくタイに行ったが、マスターできなかった。
「アルファベットと同等だろう」と考えてアプローチした私が馬鹿だった。
話もどって楔形文字も、
別民族の別言語の人のマスターには不向きだったようで、
シュメールとはまったく別の言語を話すアッカドやアッシリアの人々も、
いざ文字を書く段になると、シュメール語にかなり縛られていた、という話を読んだことがある。
そこへゆくと、安定的に文字を運用できていたのがエジプトである。
なにしろ民族の入れ替わりが基本無い。同じ民族が同じ文字を使い続けている。
エジプト内部で表語文字から表音文字(ヒエラティック)が発生したが、
エジプトの外でも同様に、ヒエログリフを元に表音文字が発生し、
それが今日のアルファベットの基礎になっている。
発生したのは、原カナン文字、およびフェニキア文字である。
カナン、フェニキアは現在のイスラエル地方であり、
エジプトにも近く、メソポタミアにも近い。
両者に近い場所で、書きやすく読みやすい文字が発生した。
このことによって、その土地に住む住民は、
エジプト、メソポタミア両地方の神話、伝説に触れることができ、
それらを書き記すことができた。
これが聖書の成立起源であると考える。
問題は、文字の発生によりたまたま歴史書製作の機会を得ただけで、
カナンには強力な王権が存在していなかったことである。
ヤマト朝廷抜きの日本書紀だったのである。
エジプトのヒエログリフと、メソポタミアの楔形文字である。
楔形文字はハングルやカタカナのようのもので、視認性が悪い。
そのかわり覚えやすく使いやすいはずなのだが、
元来シュメール人のものであった文字を、
アッカドやらアッシリヤ人などが使うので、
使いでが大変悪かった。
同様な事情がタイにもあって、
中国語に近い声調言語、音の高低での表現が多い言語を、
サンスクリット系の文字で表現しようとしているのが、タイ文字である。
母音や子音の細かい分別はたいしたものだが、
決してマスターしやすいものではなくなっている。
タイ人はおそらく中国語と同じく長江中流域に発生した言語で、
タイ人の南下とともに言語として別の発展ルートをたどったのだろう。
あるタイ人に聞いたところでは、
「タイ文字には実に苦労した。
アルファベットのほうがはるかにマスター簡単だった。
結局タイ文字マスターできたのは小学校6年生のときだった」
そうである。私はちょくちょくタイに行ったが、マスターできなかった。
「アルファベットと同等だろう」と考えてアプローチした私が馬鹿だった。
話もどって楔形文字も、
別民族の別言語の人のマスターには不向きだったようで、
シュメールとはまったく別の言語を話すアッカドやアッシリアの人々も、
いざ文字を書く段になると、シュメール語にかなり縛られていた、という話を読んだことがある。
そこへゆくと、安定的に文字を運用できていたのがエジプトである。
なにしろ民族の入れ替わりが基本無い。同じ民族が同じ文字を使い続けている。
エジプト内部で表語文字から表音文字(ヒエラティック)が発生したが、
エジプトの外でも同様に、ヒエログリフを元に表音文字が発生し、
それが今日のアルファベットの基礎になっている。
発生したのは、原カナン文字、およびフェニキア文字である。
カナン、フェニキアは現在のイスラエル地方であり、
エジプトにも近く、メソポタミアにも近い。
両者に近い場所で、書きやすく読みやすい文字が発生した。
このことによって、その土地に住む住民は、
エジプト、メソポタミア両地方の神話、伝説に触れることができ、
それらを書き記すことができた。
これが聖書の成立起源であると考える。
問題は、文字の発生によりたまたま歴史書製作の機会を得ただけで、
カナンには強力な王権が存在していなかったことである。
ヤマト朝廷抜きの日本書紀だったのである。
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