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2021年8月17日火曜日

運動量 2021 Gold Cup | United States vs Mexico


アメリカのFIFAランキング上昇したようなので、気になって少し見た。
どうも選手の運動量を予想計算して戦術を組み立てているようである。
素人目にはそう見える。

日本のオリンピックはインパール的幕切れになったが、アメリカはこういう定量的なアプローチは流石に得意のようである。

一方で文脈的なアプローチ、ヨーロッパ各国のもまたある。
それはそれで有効だろう。良し悪しというより様々な考え方、文化があると認識すべきだ。

日本のアプローチは定量的でもなく、さほど文脈的でもなく、どちらかと言えば属人的だと思う。「ダブルボランチが優れているからなんとかしてくれる」とか、「久保は150%のちからを出すことを宣言した」とかで、勝つための組みたて、ではなくて登場人物の理解というか、登場人物を愛するためにすべてのエネルギーが集中しているようである。

わからないなりにサッカーみているのはここらへんが楽しいからで、地べたを這いずり回る競技はその民族の体質をきれいに反映する。日本代表は我々の自画像である。そして負けて、久保くんが大泣きして、みな実は満足したのである。やっぱラストの大泣きは重要である。これもこれで面白い文化だと思う。

2021年8月10日火曜日

サッカー分析サイト

 週休二日さんからサッカー分析サイトをご紹介いただいた。


c60.blog.shinobi.jp


サッカー分析屋の間では、古典として知られる」


そうである。

「正対」という言葉、最近youtubeの分析系で見たが、えらく早くから解説してある。なるほど世の中こうなっているんだ。

本田圭佑がかなりの爆弾発言をしていた。

https://www.soccerdigestweb.com/news/detail/id=95871


いずこも同じ風景なのだが、サッカー業界でも利権的なのだな。しかし最近では外野がうるさいから、サッカー協会もだんだんまともになってきつつあるように見える。このあたり経済学と一緒である。

ちなみに文学は、まったく外野が盛り上がらず、文学議論に改善の予兆はない。どうもコミック、アニメ分析が足を引っ張っているようである。「竜とそばかすの姫」の感想文いくつか見たが、なかなか壮絶な状況だった。章立て表を簡単でもよいので書いていただけると、抜本的な読み解きが可能になる。



2021年8月8日日曜日

Tactical Camera

 Tactical Cameraというものがある。2018のサッカーワードカップ直後には、ほとんどの試合の、このカメラ映像を閲覧できた。おもしろくてかなり見た。





遠いカメラだから細かい選手のテクニックはもちろん見えない。もっともサッカーわからない私には、細かいテクニックはどうでもよい。アップにしてもらってもどうせわからないのである。

Tactical Cameraのよいところは、細かい情報全くナシ、陣形だけをひたすら見続けるところにある。各国の陣形扱い方上手い下手が、段々わかってくる。


日本は実は、(2018WCでは)非常によかった。相手ディフェンダーがボールを回す。右サイドにボールが渡れば、日本代表は全体が右に平行移動する。その際に前と後ろ、右と左でどうしてもタイムラグが生じる。前は、ボールに近い位置にいるから相手のボール移動に敏感に反応し、ボールから遠いディフェンダーはどうしても反応が遅れる。しかし日本代表は、そのタイムラグを2018の時点で最低限に抑え込んでいた。全体の陣形が最もきれいに平行移動してゆくチームだった。すごく賢く見えた。


もっとも攻撃の偏差値はさほどではなかった。マイボールになった瞬間に、ほとんどのチームは両サイドがフィールドギリギリまで開く。日本も開くのだが、その速度は遅かった。「幅を取る」というらしいのだが、これ以上の戦術的話はわからない。ただとにかく、攻撃は少々モタつくという印象だった。


防御の際の陣形の平行移動、つまりマスゲームの一種だが、これは選手たちの数値計算能力にだいたい比例するはずである。日本は非常に高いと思われる。攻撃の際にすみやかに幅を取る作業、これは選手たちの「ゲーム文脈理解力」にだいたい比例すると思われるが、この点には改善の余地があるのだろう。伝統が浅いから仕方がない面もあるだろうが。


ともかく、2018WCはベスト16で終わったが、実際にベルギーは強く、ブラジルさえも破った。ベルギーが負けたチームはフランスしか存在せず、フランスは優勝チームだから、実は日本は優勝まであと一歩のところまで来ていると思う。もっとも、運が良ければ優勝できるレベルで、絶対的に強いわけではない。でも十分成長していることは確実である。今回のオリンピックでも、ディフェンスの陣形の綺麗さだけでいえば、ずば抜けて一位だった。個々の技術でも集団戦闘でも改善の余地はある。しかしスペインの監督が認めたのはおそらく、ディフェンス陣形の見事さだったはずで、そこは素質的に自信を持って良いと思う。


話を2018に戻す。日本の守備がうまく、攻撃が今ひとつなのは分かったから、それを基準に各国の動きをTactical Camera映像で観察した。この視点で最も優れた国は、すば抜けてイングランドだった。守備は無論組織的、しかし攻撃に移った瞬間に陣形が自由自在に変化する。凄いと思った。連中があれほど不器用なのにかなり勝てるのは、この柔軟で優秀な戦術能力にあると思った。


日本を破ったベルギーもよかった。メキシコは頑張っているが、印象としては数値計算能力が低く感じた。選手間距離の目測が妙に濁っている感触会った。クロアチアは攻守ともまんべなくよかった。フランスはディフェンシブすぎて評価できない。評価が低いのではなく、私には良し悪しの判断がつかなかった。


ではどこの国が悪かったか。間違いなくブラジルだった。守備も攻撃も、真面目に陣形考える気力そのものが欠落していた。この戦術的不真面目さであれだけ勝てるのだから、個々の選手はよっぽど上手いのだ。


今回オリンピックでブラジル代表を観察していなかった。昨日決勝戦ではじめてブラジル代表を見た。守備の陣形は、なんと驚いたことに、そこそこ整っていた。日本代表守備陣が一番やる気が無い時より、少し乱れているくらいのレベルだった。それくらい陣形努力すれば、優勝できてしまう。もっとも連中にしてみれば、守備陣系の整理を死ぬほど努力した、という認識なのかもしれないが。


以上あくまで素人感想である。