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2020年2月28日金曜日

敵の見方

戦いというものは敵の立場に立って考えなければならない。

かつて加藤一二三という将棋指しが居た。
今も存命だが、強かった。
休憩時間に相手の位置に立って指掛け盤面を眺め、
相手からどう見えるか検討するのが習慣だった。

ある日も休憩時間に相手が居ないすきに席に近寄って検討していた。
加藤が立ち去ったのち、その指掛け図を見た別の棋士は驚愕した。
先後同型だったのである。

よくわからんが、相手の立場に立って考えるのはこれほどまでに重要なのである。
敵さんの立場で検討しておく作業が、皇国の興廃を決すると愚行する。
で、考えてみた。以降敵の立場である。

戦略目的:とにかく中国共産党をやっつける。香港は割譲

作戦行動の現状
1、香港騒乱にたいする共産党の抵抗は頑強。それだけでは失敗の公算高い。
2、武漢にウィルスを散布した。それなりに成功。しかし共産党強権発動で抑え込まれつつある。
3、散布は日本(及び韓国)、イタリア、ドイツでも快調。船を寄港させたのが上手くいった。だが広がりがまだ少ない。
4、日本が中国寄りポジションを取り始めている。もし完全に寄り添うと、共産党つぶしが不可能になる。

という感じだと思われる。これで習近平が天皇に合うと、権威が高まって共産党崩壊ストーリーが崩れる。であるから、もっかの最善の策は習近平来日阻止である。しかし安倍首相の意志は堅い。未だに中国からの旅行客を受け入れているのは、その意志のあらわれである。


当方の現状
1、離脱案件で立場的には切迫している。東アジアを勢力圏にしてEUに対抗する必要がある。
2、時間はあまりない。香港もウィルスも、時間が立てば活動が無効化する。その後報復が待っている。
3、ネットワークは世界中に大量に持っている。このリソースで勝ちたい。

それで、取りうる戦術は

1、日本のウィルス拡散は快調。ただ清潔で従順な国民なので、ナチュラルにピークを低くできる可能性が高い
2、よって在宅勤務が増えたあたりを見計らって、ネットに攻撃をしかける。そのタイミングならセキュリティはゆるい。
3、色々仕込んでおいて、コロナ発症のピークあたりで電力を止める。病院は稼働できなくなる。流石にパニックになる。
4、日本政府が怯んだのを見て、中国をなんらかの方法で攻撃。習近平来日を阻止する。

相手の立場に立った考察は以上である。


中国への最後の攻撃方法がよくわからないが、こちもらネットに手を入れると思う。リアルウィルスとネットウィルスで勝負である。
だいたい中国最大の強みにして最大の弱点は、膨大なサイバー部隊である。不満分子をかき集めれば、万単位の反乱軍はすぐ作れる。
「君たちこそ新中国の指導者だ」と吹き込めば、かなりの人が反乱軍に参加しそうである。ネットを制すれば共産党も手こずるだろう。共産党も元来(歴代中国の反乱軍と同じく)ネットワーク型の組織だからである。

2020年2月27日木曜日

悪手?

文芸以外はこちらに、文芸ネタはNOTEに書くことにする。

今回のウィルス騒動、私はイギリスがばらまいたと思っている。
香港でいくら騒いでも中国がヘタらないので、業を似やした。
現にイギリスが感染者数少ない。
おそらくワクチンもとうの昔に用意済み。

で、アメリカの一部勢力も絡んでいる。
ヨーロッパで感染が多いのは、ドイツとイタリア。
2/27時点での感染者数、
イタリア528人、
ドイツ26人。
次はフランスの18人である。
意図は明らかだろうに、カラスは白いと言い張る人が多い。

韓国は1766人、
日本は189人。
日本人、韓国人がどう考えているかは別にして、外部から見ればこの二つまとめて大日本帝国なので、一つの国なのである。

がしかし、対日本(除く韓国)という意味では、アングロサクソンさん最悪の手を指してしまった。
ほとんど敗着である。
公衆衛生で日本に勝てるわけないのである。

このままではアングロサクソン連合の負けである。
連中は次の手を考えなければならないのだが、
その手が見つからない。

核攻撃→流石に非難されるからできない
サイバー攻撃→これが一番可能性高い。CP高い。
テロ→日本にするよりも香港にするべき状況

まあサイバー系かな?
在宅が多くなった時点でネットが不通になると思う。
電力、新幹線なんかも止まるかも。

もしかして、中国さえ十分叩けば、日本叩かなくてもOKと考えているのかもしれない。
しかし大きなスコアで敗けるのはきつい。
アングロサクソンの次の手予想があったらどなたでもお教えください。

2020年2月2日日曜日

「黒い匣」(バルファキス)について

黒い匣 (はこ)  密室の権力者たちが狂わせる世界の運命――元財相バルファキスが語る「ギリシャの春」鎮圧の深層   ヤニス バルファキス https://www.amazon.co.jp/dp/475034821X/ref=cm_sw_r_tw_dp_U_x_uGJnEbG9NSRMZ @amazonJPさんから


ようやっと図書館で借りてきた。高いし厚いし、買って自宅に置くのは御免こうむる本だが、内容は死ぬほど面白かった。血湧き肉躍る名著である。

ECBやユーログループやIMFやドイツやらがご無体な要求をギリシャにつきつける。要するに第一次世界大戦後のヴェルサイユ条約である。国家が無茶苦茶になる。ドイツはそれゆえにハイパーインフレに陥り、ヒットラーが台頭した。しかしドイツも、自分ところにやられるのは嫌だが人にやるのは大好きなようで、ゴリゴリ押してくる。アメリカで経済学者をやっていたバルファキスは、「祖国で財務大臣やってくれ」という要請を受けて、国に帰って国政選挙に出馬、見事に当選して新内閣の財務相をつとめる。2015年1月の話である。

結局彼は各国、各機関との交渉、及び自国政府の方針決定に敗れ2015年7月に辞任する。たった6ヶ月の政治家体験である。しかし濃密な体験である。登場人物はサマーズ、ラガルド、ドラギ、メルケル、マクロン、サンダース、オバマなど。全員キャラが立つ。さながらドストエフスキーである。分厚い本で短い時間というのも、ドストエフスキーである。やっぱドストの会話ドラマは、ギリシャオーソドックスの文化的伝統を受け継いでいるものではないだろうか。たてまえ上はできるだけ正確に描写した実体験なのだが、裏読みができそうな本でもある。そこまで取り組んでいないのでなんとも言えないのだが、重要な本なのでまずは簡単に紹介する。

経済危機に陥ったギリシャに押し付けられた改善策は、アジア通貨危機の時のIMFの方針と同じく、単なるイジメ策であった。しかしイジメられたギリシャが困窮し国粋主義化したりすることを想定するならば、EU全体にも悪影響を及ぼす。つまり、イジメられるほうにとっても、イジメるほうにとっても、なにひとつ良いことの無い自殺的な行為である。

バルファキスはそれが自殺的であると各機関で訴える。そこに居るエコノミストで優れた人々は皆、完全にそれに同意する。実際自殺的なのだから当然である。でも、やっぱり方針はかわらない。理不尽な要求がゴロゴリ押されてくる。マスコミは当たり前のように買収されてゆく。身近なスタッフも徐々に陥落してゆく。そしてとうとう自分に協力を要請した首相も陥落する。そしてバルファキスは辞任する。

私も日本の財務省やマスコミや経済学者の理不尽さに強い憤りを抱いているが、これはそんな甘っちょろいものではない。狂気の緊縮ゴリ押しである。しかも押してゆくほうは非常に優れている。バカだからやっているのではない(だったら問題の解決は簡単だ、賢い奴にすげ替えればよいだけだ)。非常に優れた連中が非常にバカなことをしていて、それを誰も止められないのである。だから題名が「黒い匣」、つまりブラックボックスである。冒頭サマーズが言うように、その匣のインサイダーにならなければなにも達成できないのだが、匣自体が狂った時にはインサイダーたちは匣の方針に突き動かされることしかできない。

こういう理不尽さから見るに、「黒い匣」はシンクタンクのようなものではない。「黒い匣」は宗教団体なのである。かつては共産主義が宗教の一種だと揶揄されていたが、共産主義を倒した資本主義も、毒が回って宗教団体に成り下がってしまったようである。日本の歴史的宗教団体は殺傷という意味ではたいしたものではなく、本願寺を弾圧した信長のほうがクローズアップされるくらいだが、西洋人の闘争性はものすごいもので、口では神と愛を訴えるローマ法王庁が、異端となれば住民皆殺しを先導してきた。それの正統的な後継者がスターリンやヒットラーだったわけだが、今日ではその役割は「黒い匣」に受け継がれている。現代エコノミストヒエラルキーの頂点の場所に受け継がれているのである。そして政府も、省庁も、経済学者も、マスコミも、基本的に現代ローマ法王庁に逆らえない。かつてのカノッサの如くバルファキスも屈辱を味わうのである。伝統文化というのはここまで強靱なものなのである。別に羨ましい伝統ではないが。

「匣」の支配(彼らの支配、ではない。彼ら匣の住民も匣に支配されているのだから)から離脱するには、宗教改革→三十年戦争のような、大規模な損害を覚悟しなければならないのだろう。損害を最小限に抑えるには、「知識の共有」が必須なのだが、それはまた別の日に書く。