神曲煉獄編、魔の山、堀「風立ちぬ」と宮崎「風立ちぬ」の、
共通要素の一覧である。
もはや、いちいち細かい説明はしない。
この映画が傑作であるという証明は、
この一覧だけで十分である。
ダンテのこだわった「7」という数字は、
聖書由来のものであるが、
淵源をたどればメソポタミア文明にゆきつく。
メソポタミアは海から上がってきた7人の賢人が、
7つの都市を建設してから始まった、
という伝説があるらしい。
宮崎駿がそこまで意識したものかどうかは不明である。
文化とは連続である。
物語を要素に分解して、
「これでどんな物語も自由に創造できる」
とよろこんでいた時代もあった。
(お気づきだろうか、
物語を要素分解して、組み合わせを変えて再創造というのは、
遺伝子組み換え作業に酷似している)
だがそれは創造ではなく、
順列組み合わせの羅列でしかない。
人や民族や国と同じく、
物語も時間の上に連続して存在するものであり、
南北朝の楠→大阪の陣の真田→太平洋戦争の神風
のように、連続してひとを動かすものである。
そのような物語の連続性を描写しつつ、
宮崎終生の主題である、
テクノロジーと人間の相克を描いたのが本作である。
宮崎駿「風立ちぬ」の解読をこれにてひとまず終了する。
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