コンラッド「万策尽きて」は、ワーグナー「ニーベルングの指環」を下敷きにした作品である。三島由紀夫の「豊饒の海」もそうなのだが、こちらは1902年作だから68年古い。三島ほどの壮大な展開は見せないが、非常に上手な作品である。
赤の部分のみ上手く分類できないが、登場人物の属性はほぼ共通している。主人公は偉大な船乗りだが、お金世界の圧力に負けて転落してゆく。
「指環」とは関係ないが、「西洋人の眼に」も素晴らしい出来だった。とにかくコンラッドは技術が高い作家である。読んで損は無いと思ったのでご紹介しておく。逆に三島の良さも理解できた。
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