例えば漱石の「こころ」
https://note.com/fufufufujitani/n/n6b55283380ba
物語の別の層に、明治歴史物語がひそんでいる。
例えば太宰の「人間失格」
https://note.com/fufufufujitani/n/n1ca6e61dfbf8
別の層に天皇=日本の物語がひそんでいる。
市井の人間を描いているように見えながら、歴史をひそませている。
描かれている主人公の振る舞いは、あからさまに架空である。
逆にひそんでいる歴史物語は、現実に即している。
つまり物語の架空性は、増加していない。物語が重層的になって加算されたのは、現実性であって架空性ではない。裏に歴史物語を加えることによって、物語はスポーツ観戦に近づいている。リアルに近づいている。
物語にはリアルに近づこうとする力が働いているようである。