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2013年9月5日木曜日

含むネタバレ 風立ちぬ・解説13

タバコについて。
「風立ちぬ」は煙草のシーンが都合6回出てくる。
1、震災直後、学校で本庄が煙草を次郎にせがむ
2、2年後、教室に計算尺の届け物があった直後、本庄が級友に煙草をせがむ
3、ドイツでユンカース社の見学後、次郎は最後の煙草を吸っており、本庄はシケモクを吸いはじめる
4、菜穂子を待つレストランの席で、カストルプと共に次郎がタバコを吸う
5、菜穂子と食事ができなかった後、ベランダから彼女の部屋を見上げながら、暗い中で次郎一人で煙草を吸う。
6、黒川邸の離れで、菜穂子の手を握りながら次郎は煙草を吸う。


1度の例外を除き、いずれも、直近に女性と別れる、離れる、合えなかったというイベントがある。
1、震災直後、次郎はお絹、菜穂子と別れて学校に行った。
2、教室に計算尺の届け物があった直後、次郎はお絹の後を追ったが、見つけられなかった。
3、ドイツでユンカース社の見学前に、本庄は結婚をしており、新妻と別れてドイツに来た。
4、レストランの席で菜穂子を待っていたがこなかった。
5、ベランダから彼女の部屋を見上げながら、菜穂子を思いながら次郎は煙草を吸った。
6、菜穂子の手を握りながら次郎は煙草を吸う。次郎のそばに菜穂子が居る。これのみ例外である。


だからこそ6のシーンは印象的になる。
「結核の女性の隣で煙草を吸うなんて」と激しく反応している人たちも、
無意識のうちに、この静かなシーンの劇的な意味をなんとなく感じているのではないか、
だから激しく反応しているのではないかと、思われる。


いずれにせよこのことからも、この映画が緻密に立体的に構成された作品であると理解していただけるものと思うのだが、
いかがだろうか。

1 件のコメント:

  1. 絵コンテで調べたら一つ漏れがあった。2と3の間、女の子にシベリアをあげようとして逃げられる。直後に本庄と話しをして、その後一人でタバコを吸う。これも女性とわかれている!!とにかく合計7つでした。

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