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2013年9月13日金曜日

含むネタバレ 風立ちぬ・解説15

鉄道について

登場人物が鉄道に乗っているシーンは9回ある。
うち2回は、二郎が鉄道に乗っているのだが、
明快には示されない。

初めはシベリア鉄道に乗っているシーン。
風景が映されるだけで明示されない。
二度目は失意の軽井沢旅行。
これも列車が映されるだけで、乗っている二郎は登場しない。

となると、明快に列車での移動が表現されるのは、
7回である。
7回!、飲食も7回、タバコも7回である。

1、列車乗車中に震災に被災
2、名古屋に移動中に列車で困窮した民を見る
3、ドイツでの夢。列車を降りると日の丸飛行機が墜落する夢を見る
4、ドイツから西へ移動中、カプローニ最後の飛行へと飛び出す。ピラミッドのある世界
5、菜穂子喀血の報を受け、泣きながら上京
6、二郎の手紙を読んだ菜穂子は、決心して列車で二郎の元へ
7、二郎の元を去った菜穂子は列車に乗る

ほとんど凄惨な状況の描写に結びついている。
4は凄惨なシーンはないが、ピラミッドのある世界を肯定する。
それは2と対応する。かれらはピラミッドの底辺として苦しんでいる民である。

いずれにせよ、この数の揃え方は、意図的なものを感じざるをえない。
というより、たいていの場合傑作は、このような細かくも壮大は設計を持っているものである。



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