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2014年5月12日月曜日

造船王ノア

時代的に船の発明は馬の制御に先立つ。
馬というものは、はなかなか制御できなくて、
まずは戦車(要するに馬車)という形態で、
次に乗馬することができるようになったのだが、
乗馬できるようになったのはかなり後で、
殷周交代の牧野の戦いではすべて戦車、
騎乗できるようになったのは春秋時代以降である。

それ以降馬の制御が軍事力、すなわち権力に直接結びつくようになり、
射程距離が長い銃火器の発明までそれは続いたのだが、
馬の登場以前の最先端テクノロジーは、
船の製作であった。

だから、メソポタミア下流域で最初に文明というか、
王権が発生している。
下流域文明はすぐに中流域、上流域の連中に征服される。
最初は船を制御できた連中が権力を握ったが、
次に馬を制御できた連中に征服された、という意味なのであろう。
権力の変化は交通手段のテクノロジーの発展による変化であった。

逆に言えば、
馬が制御できる以前の文明では、
船が最新テクノロジーで、
良い船を作れる人間がすなわち王者であった。

ところで船の原初形態は丸木舟である。
やがて発展して、板を張り合わせたものになるのだが、
「箱舟」は名前からして、板を張り合わせたものと類推できる。
ノア(という人はおそらく実在しないのだが)が箱舟を作ったとき、
それは最先端のテクノロジーであったはずである。
板を組み合わせて、大きな大きな船を作れるようになったのである。
板の製造、接着など、さまざまな新開発技術は、
当時の他の部族を圧倒したはずである。
交易効率が格段に違うから、
富の蓄積により大きな権力を身につけた。

ノアはその船に全ての種族を乗せた。
ということは、ノアはテクノロジーによって王となり、
全ての生物の中間始祖を主張できる権威を身につけた、
という意味なのである。

箱舟神話は、
ノアという義人の物語ではなく、
王権の物語であったのである。

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2014年5月8日木曜日

昭和初期の大日本帝国陸軍




こういうニュースが出るたびに、
日本国内では、
「中国は横暴だ」
「中国政府はうそつきだ」
などど怒りの声が巻き起こる。

しかしおそらく、習近平も衝突なんぞ望んでいないのである。
逆に、習近平に敵意を抱く勢力が、
習近平の面子とつぶすために勝手に暴走している、というのが実体であろう。

「では人民解放軍を制止すればよいのでは?」

制止できないから、面子がつぶされるのである。

昭和初期の大日本帝国陸軍を連想していただけると理解しやすい。
中国は大変危険な状態にあると言えるし、
危険度はどんどん上昇しているように、私には見える。


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2014年5月6日火曜日

西アメリカ帝国

ローマはギリシャ世界、
旧アレクサンダー帝国に該当する地域を征服した。
しかし東方からの軍事圧力の高まりにより、
首都をローマからコンスタンチノープルに移動せざるをえなかった。

しかしそれでは今度は西方世界の防御がおろそかになる。
結局、ローマ帝国は東西に分割された。
国力の勢いの衰えとともに、
そのような措置をとらざるをえなくなったのである。

西ローマ帝国のほうはゲルマン人の侵入により、
1000年もたたぬうちにあっけなく終焉したが、
東ローマ帝国のほうは、その後1000年持った。
これひとえに文化力の差であろうと思われる。
(公用語も分割当初はラテン語だったが、その後ギリシャ語に変更したらしい)
ローマが偉大とも言えるが、
アレキサンダー、あるいはギリシャ文明が偉大とも言える。

さてアメリカである。
アメリカの国力の世界全体における比率は相対的にジワジワ低下してゆく。
中国が、経済的にも政治的にも今後紆余曲折あろうが、
比率はジワジワ上昇してゆく。
ほうっておけば、覇権国は中国になる。

米中同盟という言葉もあるが、
これは事実上、無理である。
アメリカがそう簡単に、
一極集中、世界の覇権国の地位を放擲できるはずがない。
中国と同盟を結ぶということは、
ゆくゆくは中国に従属してゆく、という意味である。
中国人は従属者の収奪にかけては物凄い腕がある。
アメリカの中心に居る、
アングロサクソンやユダヤの大富豪にとっては、
それは許容できない事態である。
自らの財産を無制限に収奪される、ということだから。

と考えると、
近未来、5~20年後くらいにアメリカの採択できる選択肢は、
実は一つしかない。

ほぼ完全に従属状態にあった日本を、
国家間の上下関係が破綻しない程度に、
独立させ、再軍備させ、ことによると核武装させ、
中国の台頭を封じ込めることである。
いままでは属領日本であったのを、
西アメリカ帝国にするのである。

ただし、現状アメリカの危機感はそこまで大きくないから、
実現には時間がかかる。



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