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2020年6月30日火曜日

真実の分布

真実は人による。
人の数だけ真実がある。
したがって、真実は正規分布を描く。

目の不自由な人がおり、
耳の不自由な人がおり、
両方不自由でない人が大多数である。

という状況では、



この図の(中間意見)が大多数になる。
経済成長より弱者救済を優先すると、共産主義になる。
逆だと自由主義になる。

どちらにウェイトが置かれるかは、
社会事象なので必ず波打つ。
この20年くらいは「耳」より過ぎたと思う。
しばらく「目」に寄るだろう。

だが最終的には、中間意見の真ん中に落ち着いてゆく。
人類の成長の極限点にはそうなるのだろう。

続いて経済政策議論に入りたいのだが、
知識がないので、概念だけ示してこれで終わりである。
あしからず。

2020年6月27日土曜日

政府としての判断

外国武装勢力に秋田県が侵犯された。
すでに車持ちは自力で隣の県に脱出している。
日本国政府は「残っている人は努力が足りないので放置する」と判断するか。
判断しない。自衛隊を派遣し、救出のために戦う。

武装グループがビルを占拠した。
占拠は30時間に及び、人質も体力的にきつい状況である。
日本国政府は「体力のない人質までは助けられない、じっくりと交渉する」と判断するか。
判断しない。狙撃+強行突入で人質を救出しようとする。

巨大地震が発生、住居を失った人が夜の寒さで次々となくなっている。
政府は「毛布、避難地等の準備が不足した人までは助けられない」と判断するか。
判断しない。最低限の安全は保てるよう努力する。


さて本題である。
パンデミックで経済的に困窮する人々が多く出ている。
政府は「本人の稼ぎが足りず、普段の貯金が足りないから放置する」と判断するべきか。

2020年6月24日水曜日

バルファキスと漱石

「黒い匣」の紹介をアップした。

https://matome.naver.jp/odai/2159288311869712401

著者の苦労が、読んでいるとわかる。
書くのに無茶苦茶苦労したはずである。
「こんなダメダメな連中、ひどい条件押し付けられて当然じゃないか」
と思われないようにする苦労である。これは相当しんどい。

アレクシス・チプラス内閣が内部グズグズの裏切り者集団だったとするならば、
バルファキスがいかにユーログループで好条件を勝ち取ったとしても、
一般の人々の生活はさして改善しない。
すぐに癒着が始まり、腐敗が進むだけだからである。

つまりバルファキスの努力は、バルファキスが書いたことが正しければ、
全部ムダなのである。
フリアラキスの悪口を書けば書くほど、彼は自分でそれを証明している。

では真面目に仕事ができる国はどこかと言えば、ドイツである。
最も貨幣問題に臆病で足引っ張りなドイツが、
いざとなったら最も誠実に状況を改善することができる。

日本もドイツと似たようなものだ。
未だに財政問題でヒスを起こす人々が居る。
よほど勉強がお嫌いなんだろうが、そういう人でもいざ仕事となれば、
とことん誠実に業務を進めてゆく。

(そういう人が貨幣問題を理解できるようになると、
仕事への誠実さは若干後退するのだろうか?
するような気もするし、しないような気もする。
そこは判断がつかない)

トロイカはギリシャに査察団を派遣して、
政治家、官僚をさんざん苦しめる。
業務が増えるのだから当然である。
ドイツ風にクソ真面目に追求してゆくのだろう。

バルファキスはそれをできるだけ阻止し、
ギリシャ官僚の植民地根性を払拭しようとする。
志としては正しい。

がしかし、ギリシャ官僚は元来相当腐っているのである。
トロイカがそれを改善したとは言い難いが、
トロイカの支配から脱出したからと言って改善が約束されているわけでもない。

トロイカにとってのギリシャは、夏目漱石にとっての松山に限りなく近い。
単なる呪うべき僻地である。
彼らは僻地に行っても、悪口を言って、暴力的に振る舞って、立ち去るだけだ。
しかし僻地が正しいとも、また思わない。
これはどちらが正しいか、未来永劫決着がつかない問題なのである。