前回述べたごとく「3回出現する言葉」に注目すると、
以下のような表ができる。
ただし末尾のように分類しきれないものも残る。
未完成品だから仕方が無い。
順に説明する。
1)川
一、午后の授業 (授業で説明される模型の
天の河)
七、北十字とプリオシン海岸 (実際に手に触れる天の川)
9-11 カンパネルラ溺死と父帰還の予感 (カンパネルラが溺れた川)
2)レンズ(前回説明済み)
3)紙
二、活版所 (活版所の人から渡されるメモ)
九、ジョバンニの切符 (十字を書いてある切符)
9-11 カンパネルラ溺死と父帰還の予感 (カンパネルラの父が受け取った手紙)
4)鉄道(前回説明済み)
5)工事
三、家 (模型の鉄道工事)
七、北十字とプリオシン海岸 (発掘工事)
9-6 ソ連の発破と双子の星 (架橋工事)
6)赤い玉
三、家 (ジョバンニが家で食べるお姉さんが作った料理のトマト)
9-3 リンゴ (燈台守に貰うリンゴ)
9-7 蠍の炎 (さそり座のアンタレス)
7)船
四、ケンタウル祭の夜 (からすうりの船(灯篭流し)
9-2 タイタニック死者の乗車 (タイタニックとおぼしき船)
9-11 カンパネルラ溺死と父帰還の予感 (ザネリとカンパネルラの乗った船)
8)溺死
9-2 タイタニック死者の乗車 (タイタニック乗客の溺死)
9-7 蠍の炎 (井戸に落ちたさそりの溺死)
9-11 カンパネルラ溺死と父帰還の予感 (カンパネルラ溺死)
9)光と影
四、ケンタウル祭の夜 (街灯とジョバンニの影)
七、北十字とプリオシン海岸 (海岸への階段での二人の影)
八、鳥を捕る人 (甲虫の光と影)
10)平面化
七、北十字とプリオシン海岸 (牛の化石の発掘。みかけ上牛が平面化している)
八、鳥を捕る人 (鳥を採集すると平面化してお菓子になる)
9-7 蠍の炎 (さそりが平面化してさそり座になる)
11)牛
七、北十字とプリオシン海岸 (牛の化石)
9-8 ほんとうの神様 (おうし座(ふたごの星)
9-10 牛乳の入手 (母牛と子牛)
12)狩猟
八、鳥を捕る人 (ともかくも鳥の狩猟)
9-5 新世界交響楽 インディアン (弓矢による狩猟)
9-7 蠍の炎 (イタチによるさそりの狩猟)
以上が「3回出現する言葉」で私が発見できたものである。
以下「それらしい言葉なのだが3回ではないもの」を説明する。
まず2回出現するもの
ゆるい服
二、活版所 (ゆるい服の人、ジョバンニの職場のボスらしき人)
9-4 かささぎ 孔雀 渡り鳥 ゆるい服の人(鳥の交通整理)
ミルク
一、午后の授業 (天の川をミルクに例える)
9-10 牛乳の入手 (お母さんのためのミルク)
お菓子
二、活版所 (お母さんのための角砂糖)
八、鳥を捕る人 (鳥の菓子)
4回出現するもの
母のところに行く
9-8 ほんとうの神様 (タイタニックの死者が母の所へ行く)
9-9 石炭袋とカンパネルラの消滅 (カンパネルラが母の所へ行く)
9-10 牛乳の入手 (子牛が母牛の所へ行く)
9-11 カンパネルラ溺死と父帰還の予感 (ジョバンニが牛乳を持って母の所へ行く)
もうひと頑張りで全て3回にそろえられそうだが、
あくまで未完成なのである。
しかしここまで緻密に組み立てただけでも、たいしたもんなのである。
さてそこで再び鉄道を考える。
4)鉄道
三、家 (模型の鉄道)
五、天気輪の柱 (現実の鉄道)
六、銀河ステーション (銀河鉄道)
鉄道は3回登場する。
家でジョバンニはカンパネルラ宅での鉄道模型遊びについて言及する。
天気輪の柱でジョバンニは遠くの列車を見る。
銀河ステーションでジョバンニは銀河鉄道に乗り込む。
模型、現実、抽象の3種類の鉄道が登場する。
小、中、大の3種類と言っても良い。
あるいは川
1)川
一、午后の授業 (授業で説明される模型の天の河)
七、北十字とプリオシン海岸 (実際に手に触れる天の川)
9-11 カンパネルラ溺死と父帰還の予感 (カンパネルラが溺れた川)
模型の川、天の川、実際の川である。
小、大、中、の3種類ある。
つまり作品中の3回出現イメージは、
模型、現実、抽象、
いいかえれば、
小、中、大の3種類で統一されているのではないかと思われる。
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