おおかみこどもの雨と雪は、
実はストーリーらしきストーリーがほとんど無い、
極端に薄い物語である。
12年以上に渡る長きを2時間で、駆け足で通り過ぎる。
だから話は薄くなって当然である。
通常ならばバラバラになるその薄さをつなぎとめる留糸が、
対句的表現である。いや厳密には対句ではないのだが、
説明が難しいのでまずはざっと見ていただきたい。
父は桃缶を妊娠中の妻に食べさせる
息子は桃を狐の先生に献上
母が吐くと父は鳥をとってくる
息子が吐くと姉はさぎを取ってくる
父(狼姿)は鳥を獲ろうとして川に落ちて死ぬ
息子(狼姿)は鳥を獲ろうとして川で死にかかる
父と花のアパートには燕の巣
息子の家出の前に燕の巣が倒壊
息子に脱脂綿で乳を含ませる
草平くんの耳の傷には脱脂綿がテーピングされている
娘が吐いて母(花)は獣医か小児科か迷う
息子は吐いて狼はいやだと言う
娘が落としそうななったビンを母はナイスキャッチする
韮崎家から木酢液のペットボトルをもらう
娘が倒しそうになったタンス(四角い箱)を母はからくも支える
韮崎家から冷蔵庫(四角い箱)をもらう
娘の先生(草平くん)に母が差し出すのは緑のジュース
息子の先生(狐)に母が差し出すのはピンクの桃
娘は子供の頃緑の離乳食を食べている
娘の先生は緑のジュース
雪は草平からみかんとパン(丸いものと平らなもの)をもらい
花はきつねに桃と油揚げ(丸いものと平らなもの)を出す
雨が狐の先生に連れてゆかれた岩沢から見る湖には雲が映っている
花の駐車場の水たまりには雲が映っている
他にもあるだろうが、発見できたのは以上である。
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