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2014年3月25日火曜日

タルコフスキー「鏡」・解読4

作中長々と語られるセリフ 字幕より

(冒頭に登場する医者の言葉)
こんな気がしたことはないかな
植物にも感情や意識があると
理解する力さえも
このハシバミの木だって
(ハンの木よ)
何だっていい
木は動かない
人間は始終走り回り
くだらんおしゃべり
それは我々が
内なる自然を信じず
何かとうたがり深くてせっかちで
考える時間がないから


(イグナートが途中朗読させられるノートの言葉)
しかるに
違った

疑いもなく
教会の分裂は欧州からロシアを引き離した
欧州を揺るがした出来事に我々は関与していない

しかしロシアにはロシアの使命があった
その広大な大地は蒙古の侵入を飲み込んだ
タタール人は西の国境を越えようとはせず
やがて退いた
かくしてキリスト教文明は救われたのだ

その使命のため
ロシアは特異な在り方を強いられ故に
他のキリスト教国とは
全く異なるキリスト教世界を形成した

ロシアが歴史的に無価値であるという意見
それには断固 異を唱える
ロシアの状況をよく見れば
後世の歴史家も目を見張るはず

私個人は皇帝の忠実な民である
しかし 現状に満足しているとは言い難い
文学者としていらだち 人間として屈辱を覚える

しかし誓って申し上げる
私は祖国の変革も
他のいかなる歴史も望みはしない
神がロシアに授けた歴史以外・・・
(プーシキンの手紙 1836年)


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