作中見たこともない中年おばさんが、
老人のメイドを従えて、
突然主人公の留守宅に登場し、
イグナートにノートを朗読するように言う。
そこには前回述べた、
ロシアがキリスト教文明を救った、云々が書いてあるのだが、
注目すべきはこのあばさんのコップである。
非常に奇妙な形をしたコップで、
卵の上1/4を切り取ったような形をして、
ガラスのような足が付いている。
表面には精巧に美しい装飾が加えられている。
これも象徴的に表現されているのだが、
ロシアで卵といえば、イースターエッグである。
http://ja.wikipedia.org/wiki/インペリアル・イースター・エッグ
これほどまでに美しい装飾が加えられている以上、
このおばさんはロシア皇帝、ないし皇帝のごとくロシア全体を考える意思を持った存在、
という意味である。
だから老女にお茶を入れさせる。
偉い人なのである。
その偉い人が、
作品の最期あたりで、
病臥している主人公の枕元でぼやく。
「息子がこんなでは、お母さんはどうなるの?」
ロシア皇帝が心配するほどのお母さん、
となるとここで言う「母」はロシアの大地そのものであろう。
おばさんは、ロシアの精神、ロシアの大地の運命に思いを馳せているのである。
参考
http://yomitoki2.blogspot.com/2013/08/2_20.html
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