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2014年5月5日月曜日

タルコフスキー「鏡」・解読15

全体の構造についてもう少し言及する。
「鏡」は3部形式である。


(第一部)
1、草原と若い母と旅の医者(幼年時代)A-1

2、母の印刷工場時代(少年時代)B-1

3、別れた妻との会話・カラー(成人時代)C-1

(第二部)
4、戦争の時代の記録映画(幼年時代)A-2

5、イグナートの留守番(成人時代)B-2

6、兵役訓練(少年時代)C-2

(第三部)
7、別れた妻との会話・モノクロ(成人時代)C-3

8、母とたずねた田舎の家での営業(少年時代)B-3

9、草原と老いた母と主人公(幼年時代)A-3


第一部と第三部を比較する。

(第一部)
1、草原と若い母と旅の医者(幼年時代)A-1

2、母の印刷工場時代(少年時代)B-1

3、別れた妻との会話・カラー(成人時代)C-1

(第三部)
7、別れた妻との会話・モノクロ(成人時代)C-3

8、母とたずねた田舎の家での営業(少年時代)B-3

9、草原と老いた母と主人公(幼年時代)A-3

以上まとめると

(第一部)
A-B-C
(第三部)
C-B-A

となって、まさに「鏡」になっている。


これが仮に

(第一部)
A-B-C
(第三部)
A-B-C

となると、おそらくソナタ形式か、三部形式だと類推できるのだが、
本作ではソナタ形式は採択していない。

さて中間部にあたる第二部をもう少し細かく分析してみる。




青が青年時代
オレンジが少年時代である。
なにも色がついていないのが記録映画の部分である。

記録映画の部分、一部なんの画像かはっきりわからない部分があるが、
だいたい時系列で並んでいるのが理解できる。

スペイン内戦はソ連は介入した内戦であり、
そこがだいたい主人公(監督本人)の幼年時代とダブる。
その後第二次大戦、核実験、文革までを記録映画は描写する。



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