前回妻との会話、カラーとモノクロバージョンの比較で、
うまく対句が発見できた。
他の場所でも考えてみる。
モノクロとカラーの対比、という意味では、
主人公の少年時代の話題が目に付く。
1、印刷工場での母の話(モノクロ)
2、田舎の知人の家に頼みごとに行く話(カラー)
ただし1は主人公は登場しない。
この二つで対句表現を探ってみる。
1、誤植が問題になると思ったが大丈夫だった
2、頼みを聞いてもらえるか不安だったが大丈夫だった
1、ウォッカを与えられる
2、コップに入った飲み物を与えられる
1、大丈夫と思ったが結局非難を受けつらい思いをする
2、大丈夫と思ったが結局鳥を捌かされてつらい思いをする
1、雨に頭が濡れる、シャワーで洗う
2、ぬかるみで足が汚れる マットレスで拭う
1、文字の問題。言葉で不快になる。
2、金の問題。暴力で不快になる。
1、蒸発した夫、子どものことを言及される
2、義父について言及する(イワノフの継娘です)
とこれも対句になっているのがわかる。
となると冒頭と最後の、
主人公の幼年時代も対句になっているのではないか。
いずれも田舎の家のシーンだが、
最後のほうは母が老婆の姿で、つまり現在の姿で登場するのが特徴的である。
1、母が見知らぬ医者と寝転がる
2、母が蒸発した亭主と寝転がる
1、医者は植物にも意識があると言う
2、亭主と娘は植物を咥えている
1、子どもは寝ている
2、子どもは起きている
1、母は若い妻の姿
2、母は年老いた現在の姿
1、母は棚に腰掛けている。棚は折れる
2、母(老婆)は切り株に腰掛けている。
少年時代に比べて、さほど綺麗な対応といえないが、
やはり対句になっている。
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